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2016.12.9

地域住民と共に取り組む津波避難計画(杉安和也助教)

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杉安助教

社会工学(都市計画)を専門とする杉安助教は、福島県いわき市などで、地域住民の方々や他のIRIDeS研究者・防災関係者と協働し、特に津波避難の観点から地域防災計画づくりに取り組んでいます。避難訓練を実施する際に、津波ハザードマップを用い、電気自動車や避難者の時間ごとの動きを科学的データとして記録できる「GPSロガー」などの最新技術を取り入れながら、実際に住民の方々と計画の有効性を検証し、避難所や避難経路の設定、誘導の仕組みなどについて改善策を提言しています。

 

東日本大震災発災前は、津波からの車による避難は公的に認められていませんでした。しかし震災を経て、自治体の中には「原則は徒歩避難であるが、車による避難も検討」とのスタンスへ方向転換したところもあります。避難場所の再検討も行われるようになりました。杉安助教らは、これらの変化も地域防災計画に取り入れています。

 

津波ハザードマップは、都市計画の手法を用い、避難計画・避難所・浸水範囲等の情報を結集して「見える化」したものと言えます。東日本大震災を契機に、それまで全国で整備が立ち遅れていた津波ハザードマップの普及が急速に進みました。それと同時に、ハザードマップを過信する危険性も認識されるようになりました。杉安助教は、自らも地域防災計画に用いる津波ハザードマップについて、「災害をイメージしやすくする一方で、イメージを固定化しがちな欠点もあります。マップはある特定のシナリオに基づいて作られるため、実際の災害がシナリオを超える可能性もあります。そのことを念頭に置き、上手に利用せねばなりません」と話します。

 

「世の中には、ハザードマップをはじめ便利なツールがたくさんありますが、それは、ユーザーが使い方を知って、初めて効果を発揮します。地域防災計画には、防潮堤などハード面だけでなく、避難訓練などのソフト面を組み込むこと、そして住民の方々とのコミュニケーションが重要です。」工学知と人間をつなぐ文理融合の視点が必要であると、杉安助教は強調しています。

 

 

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地域の津波ハザードマップを見ながら、実施した避難訓練を振り返る(いわき市にて)

 


 

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