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2016.12.28

福島県沖における地震・津波の1か月後報告会開催

 

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写真-1 1か月報告会での質疑応答の様子

11月22日に福島県沖を震源とする地震・津波が発生して以来、IRIDeSの研究者は調査・解析を続け、1か月後の12月22日、これまでの成果を発表する報告会を開催しました。

 

 

■今村文彦所長は、この津波の発生と伝播の特徴をまとめ、特に仙台湾で津波が増幅したメカニズムを、津波数値解析(シミュレーション)結果に基づき説明しました。断層の向きを示す走向を90度や180度に変えてシミュレーションを行うと今回の波高分布を再現することは難しいこと、また今回は局所的に津波が高くなった地域があり、解析の空間格子を500mメッシュよりもさらに詳細にすべきではないかと提言しました。

 

 

■サッパシー・アナワット准教授らは、潮位観測記録がない地域で現地における津波調査・被害調査を行った結果、大浜海水浴場(宮城県東松島市)では津波は推定潮位(T.P.+0.3m)から4.0mに達していたことなどを報告しました。過去の津波外力と被害の関係に、今回の津波被害はおおむね一致していましたが、今後は、更なる被害予測の向上が課題であると述べました。

 

 

■遠田晋次教授は、「福島沖は海山の衝突や沈み込みなどで陸側のプレート内に多数の断層が存在し、3.11に刺激され直後から地震活動が活発化した。5年半経ったが今回の地震もその1つである」と説明しました。また、この地震を「2011年東北地方太平洋沖地震の余震と一言で片付けるべきでなく、海域ではあるが陸側のプレート内に存在する活断層による内陸地震の1つであり、今後も引き続き注意が必要である」と指摘しました。

 

 

■安倍祥助手は、避難の観点から問題点を整理しました。多くの人が早く避難を開始した点を評価する一方、避難渋滞や、避難できなかったケースについても指摘しました。また今回、宮城県では途中で津波注意報から警報に切り替わったため、自治体によって津波警報への対応が分かれた点に着目し、今後の改善策の一つとして、リアルタイム津波観測情報の更なる活用を挙げました。

 

 

この福島県沖を震源とする地震・津波により、東北被災地で津波警報が出されたのは4年ぶりとなりました。幸い人的被害はありませんでしたが、IRIDeSのその後の研究によって観測や避難等のさまざまな分野で課題があることを、改めて示すこととなりました。

 

 

各発表資料はこちら

 

 

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図-1 報告会で紹介された解析結果の一部

 

 

 


 

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