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2017.1.16

拡張GISを防災に生かす(寺田賢二郎教授・櫻庭雅明特任教授(客員)・森口周二准教授・高瀬慎介助教) 

研究チーム - トリミング

研究チーム(左から高瀬助教、寺田教授、森口准教授)

GIS(地理情報システム)は、位置データや関連情報を地図上に重ね合わせ、各情報の分析や視覚的理解を可能にするものです。GISは、計算機の高速化および低価格化にともない、近年飛躍的な進歩を遂げています。

 

IRIDeSの寺田賢二郎教授・森口周二准教授・高瀬慎介助教らは櫻庭雅明特任教授(客員、日本工営(株))と共同で、このGISへさらに災害シミュレーション機能を組み込み、防災に役立てるシステムを開発しています。

 

すでにGISは、防災施設や災害時要支援者などの位置情報を可視化するなど、防災分野で必須のツールとなっています。また、GISと数値シミュレーションを組み合わせる試みもすでに行われており、例えば洪水ハザードマップは、専門家による数値シミュレーションとGISの情報を合わせて作られています。

 

しかし従来、GISと数値シミュレーションを切り離して使用し、後でそれぞれが算出したデータをやり取りすることはありましたが、両者を最初から融合させて使おうとする試みはあまりありませんでした。また、災害科学分野は、工学・理学・社会科学・医学等の分野に専門化されており、それらを集約した学際的アプローチが必要であるとも指摘されてきました。

 

その問題意識に基づき、寺田教授らは、GISに地震や津波、地すべり等の災害数値シミュレーション機能を埋め込んだ上、多分野の災害情報を同時に管理・分析できるようにするシステム「X-GIS」(拡張版GIS/eXtended GIS)の開発を始めました。異なる災害データを統合し、IRIDeS棟に設置されている3Dスクリーンで「見える化」して同時把握を可能にすることで、最終的に災害被害把握や防災・復興まちづくりに役立てるのが目的です。

 

寺田教授らは、すでにX-GISソフトウェアの基本仕様は完成させ、次段階として津波災害に限定したパイロット研究に着手したところです。寺田教授は、「将来的には社会に成果を無償で提供し、利用者が自由に利用・カスタマイズできる形にしたい」と語ります。GISに高度な数値シミュレーション技術を埋め込むソフトウェアの開発は世界にも例がなく、汎用性・利便性の観点からも斬新な防災ツールとなることが期待されます。

 

拡張GIS

 

 

 


 

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