災害感染症学分野

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教授:児玉 栄一        
感染症はいまや世界における脅威そのものであり、如何に対応していくかが大きな課題となっています。
災害発生の予測は困難であり、今まで災害時の感染症研究は事後の疫学調査や発生予測に基づくワクチン研究が中心でした。その一方で抗ウイルス剤は災害感染症やアウトブレイクに不向きと考えられておりました。しかし抗エボラウイルス薬として注目されたアビガン(抗インフルエンザ薬)の登場により、災害時における抗ウイルス剤の有用性が急激に注目されています。
当研究室では制御すべき微生物の疫学・診断だけにとどまらず、抗ウイルス剤などの感染症治療薬の開発を研究テーマとしていますが併せて薬剤耐性機序の解明や診断法の改良も行っています。国内に限らず、米国などとの国際共同研究もさかんです。
1)感染制御
災害時におこる感染症は多岐にわたることから、病原体ごとに対応するのではなく、空気感染、接触感染などの感染経路ごとや症状にあわせて対応をすることが現実的です。災害時における感染制御法を確立することを目指します。
2)ウイルス診断法
迅速かつ簡便なウイルス診断方法の開発・確立を試みています。
3)抗HIV剤
日本たばこと共同開発したHIV integrase阻害剤が、1日1回1錠の合剤として2012年8月に米国FDA、2013年3月に国内認可を受けています。2016年には副作用が少ない薬剤と合剤化されて販売されます。また、治療だけでなく、感染予防にも効果を示すHIV逆転写酵素阻害剤の基礎開発にも携わりました(臨床試験中)。
4)ウイルス発ガン治療
EBウイルス関連白血病治療薬を東京医科歯科大学・国立成育医療研究センターと共同開発しています。特に慢性活動性EBV感染症に効果を示します。
5)その他のウイルス
B型肝炎ウイルス、SARS/MERSコロナウイルスなどに対する抗ウイルス剤も開発中です。合わせて薬剤耐性機序の解明も行っています。