IRIDeS NEWs | 東北大学 災害科学国際研究所 IRIDeS

2016.6.22

災害で生き残った人々は死者へどのように思いを寄せ、どう災害を伝えてきたか?(川島秀一教授)(vol.24 その1)

  なぜ人間は災害を忘れしまうのか? また、忘れないためには何が必要か?   川島教授 「災害は忘れた頃にやってくる」。災害教訓を次世代へつないでいくことは、将来のために非常に重要で、IRIDeSの使命の一つでもあります。   しかし人類にとり、災害に限らず何かの記憶を永続させることは、実は極めて困難です。災害の経験者が、どれほど忘れまいと心がけても、時間がたてば記憶は薄れていきます。後世になれば、直接体験に基づくリアルな記憶は他者からの伝聞情報に変わり、更に風化が進みます。   IRIDeSの民俗学者・川島秀一教授(災害文化研究分野)は、災害記憶の継承について、災害遺構との関連から研究を行っています。川島教授は、災害遺構を、災害記念碑・供養碑・祭・儀礼など幅広く含めて捉えた上で、日本各地で災害遺構がどのように活用されているか、フィールドワークに基づいて考察しました。     事例1:長崎市の「念仏講まんじゅう」   長崎市大田尾町山川河...

2016.6.17

IRIDeSが「21世紀文明シンポジウム」に共催協力(vol.23)

IRIDeSは、朝日新聞社およびひょうご震災記念21世紀研究機構と、「21世紀文明シンポジウム」を2016年から2020年までの5年間にわたり共催することに合意し、6月15日、今村文彦・IRIDeS所長、渡辺雅隆・朝日新聞社社長、五百旗頭真・同機構理事長が協定書に調印しました。 「21世紀文明シンポジウム」は、災害大国日本において、文明社会の在り方を見直し、新しい“災後の文明”を創造すべく、防災・減災知見を広く発信し、安全・安心な減災社会の実現を目指すことが目的です。2014年に東京、2015年に神戸、そして2016年には仙台(東北大学萩ホール)で開催されましたが、多数の参加者をいただき、防災・減災、復興に関する重要な議論が行われました。とりわけ仙台では、東日本大震災から5年が経過した中で、復興検証や教訓の忘却などについて話し合われました。 今後、IRIDeSは、東日本大震災等から得られた災害・防災に関する専門的知見を提供しつつ、企画に協力します。朝日新聞社は、取材活動をもとにした企画と効果的な情報発信に協力し、同機構は、阪神・淡路大震災の経験を生かす災害対処のシン...

2016.6.10

IRIDeS見学会を開催します(6月24日午後)(vol.22)

IRIDeSは6月24日午後、一般見学会(第2回)を開催します。今回は、新たに拡充した展示スペースを、災害理学の専門家がご案内いたします。また、東日本大震災の教訓を後世につなぐ3D映画「大津波3.11未来への記憶」(25分版)の上映を行います。   見学会は無料です。お問合せ・参加申し込みは、IRIDeS広報室まで:   電話:022-752-2049、メールkoho-office※irides.tohoku.ac.jp(※を@に変えてください)                   * * *           IRIDeS見学会 6月24日(金)15:15-16:15   <場所>    東北大学災害科学国際研究所 IRIDeS棟    ※仙台地下鉄東西線「青葉山」駅 南出口から徒歩3分。アクセスはこちら   <スケジュール>    15:15  集合 (IRIDeS棟 1階 エントランスホール)    15:20- 展示ご案内 岡田真介助教 専門分野:...

2016.6.2

IRIDeSと多賀城高校が包括連携協定(vol.21)

東北大学災害科学国際研究所IRIDeSと宮城県多賀城高等学校が包括的な連携協力を行うことになり、6月1日、調印式が行われました。 多賀城高校は、被災地の高校として防災知識や技能を習得して地域社会に貢献する人材を育成するため、兵庫県立舞子高校環境防災科に続き、全国で2番目の防災系の学科となる災害科学科を、今年4月に開設しました。調印式ではIRIDeSの今村文彦所長と多賀城高校の小泉博校長が、協定書へサイン・調印を行いました。 小泉校長は、「多賀城高校災害科学科は、1期生に震災時の想いを生かそうとする高い志を持つ生徒38名を迎えて出発しました。この協定により更にIRIDeSと連携を深め、社会に有為な人材を輩出していきたい」と述べました。また今村所長は、「我々には、東北地域で震災の諸問題を解決し国内外へ教訓として発信してゆく使命があります。IRIDeSは今後、多賀城高校の若い生徒さんとともに、様々な分野の災害科学に取り組む所存です。きょうはその第一歩となります」と述べました。 文部科学省は、高校と大学の連携(高大連携)を推進していますが、このたびの包括連携協力は...

2016.5.30

熊本被災地で東北大学生ボランティアが活動 IRIDeSにて報告会開催 (vol.20)

5月2日~9日、東北大学は教員と学生を熊本被災地へ派遣し、熊本大学等と連携しながら避難所調査やボランティア活動を行いました。5月26日、IRIDeSにて報告会が開催され、花輪公雄理事(教育・学生担当)挨拶に続き、現地から戻った藤室玲治特任准教授(課外・ボランティア活動支援センター)、畠山弓穂さん(文学部2年)、西塚孝平さん(教育学部3年)が発表し、司会をIRIDeSの丸谷浩明教授が行いました。  東北大学は、東日本大震災を受けてボランティア支援室を発足させました。当初は、被災地でボランティアを行う本学教職員や学生を支援するためでしたが、次第に大学教育の一環としてのボランティアの重要性が認められ、山形豪雨被災地等にも活動を広げ、このたびの熊本被災地でもボランティアを行うことになりました。  熊本大学等と連携しながら、学生ボランティアとして参加した西塚さん・畠山さんは、避難所実態調査、ガレキ撤去、足湯ボランティア活動を行いました。報告会では、これまでの山元町の仮設住宅におけるボランティア経験に基づき、熊本被災者の表面化しにくいニーズを捉える重要性等を指摘しました。藤室准教授は、ボランティア...

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