2016.6.22
災害で生き残った人々は死者へどのように思いを寄せ、どう災害を伝えてきたか?(川島秀一教授)(vol.24 その1)
なぜ人間は災害を忘れしまうのか? また、忘れないためには何が必要か? 川島教授 「災害は忘れた頃にやってくる」。災害教訓を次世代へつないでいくことは、将来のために非常に重要で、IRIDeSの使命の一つでもあります。 しかし人類にとり、災害に限らず何かの記憶を永続させることは、実は極めて困難です。災害の経験者が、どれほど忘れまいと心がけても、時間がたてば記憶は薄れていきます。後世になれば、直接体験に基づくリアルな記憶は他者からの伝聞情報に変わり、更に風化が進みます。 IRIDeSの民俗学者・川島秀一教授(災害文化研究分野)は、災害記憶の継承について、災害遺構との関連から研究を行っています。川島教授は、災害遺構を、災害記念碑・供養碑・祭・儀礼など幅広く含めて捉えた上で、日本各地で災害遺構がどのように活用されているか、フィールドワークに基づいて考察しました。 事例1:長崎市の「念仏講まんじゅう」 長崎市大田尾町山川河...