IRIDeS NEWs | 東北大学 災害科学国際研究所 IRIDeS

2022.1.14

【活動紹介】第5回石巻市復興・防災マップコンクール表彰式に参加

 2022 年 1 月 12 日午後、宮城県石巻市防災センターにて「第 5 回石巻市復興・防災マップコンクール表彰式」が開催され、石巻市学校防災推進会議の委員長をつとめる IRIDeS の佐藤健教授も参加しました。今回のコンクールには、石巻市内の小・中学校の児童・生徒が作成した復興・防災マップ計 97 作品の応募がありました。表彰式では、審査で優れていると認められた作品に対し、石巻市長賞をはじめとする各賞が授与されました。佐藤教授は、賞の一つである「東北大学災害科学国際研究所特別賞」の賞状を、石巻市立大谷地小学校 6 年生および同飯野川中学校 3 年生に授与する役割を担い、また、今回受賞したマップ全般に関する講評も行いました。  東日本大震災発生の 1 年後から、石巻市教育委員会の協力のもと、同市の小・中学校の児童・生徒たちは総合的な学習の時間などを用いて、地域の復興や防災に関する状況を自分たちで調べ、地図上で表現する活動に取り組んできました。この活動のベースとなっているのは、IRIDeS 防災教育国際協働センターが作成した「『復興・防災マップづくり』実践の手引き~郷土の自然と暮...

2021.12.10

【活動紹介】慶長奥州地震津波を数値シミュレーションで再現

津波工学研究分野 菅原大助准教授  1611 年、東北地方太平洋沿岸で地震・津波が発生しました。同地震・津波は近年まで、岩手・宮城の三陸沿岸を中心に大きな被害をもたらした 1933 年昭和三陸地震津波と同規模であったとみなされ、「慶長三陸地震津波」と呼ばれてきました。しかし、特に東日本大震災後の研究の進展により、1611 年の地震・津波はそれまでの推定よりも規模の大きい巨大地震であり、その被害は東北地方太平洋沿岸、すなわち「奥州」全域に及んでいたことが明らかになってきたことから、その名称を「慶長奥州地震津波」と改める動きが進んでいます。  2021 年 12 月 4 日、IRIDeS 棟で「歴史が導く災害科学の新展開V -文理融合による 1611 年慶長奥州地震津波の研究―」と題したシンポジウムがハイブリッド開催され、200 名以上が参加しました。このシンポジウムでは、文系・理系のさまざまな分野の研究者10名が、それぞれの視点から慶長奥州地震津波に関する最新の知見を紹介しました。発表者の一人である IRIDeS の菅原大助准教授(津波工学研究分野)は、文化財の専門...

2021.12.3

【活動紹介】災害伝承と多様性をテーマにIRIDeS金曜フォーラム開催

  災害文化アーカイブ研究分野 ゲルスタ・ユリア助教  IIRIDeS は、研究所発足直後より、所内外の情報共有や学際研究の促進の場として「金曜フォーラム」を実施しています。フォーラムは通常、年 5 回程度、金曜日の夕方に開催され、テーマに沿って3 ~4 名が発表します。コロナ禍を受けて、2020 年 5 月からは、オンライン開催となっています。  2021 年 11 月 26 日、「災害伝承の可能性を探る―ジェンダー・多様性の視点から見た災害伝承―」と題し通算 75 回目の金曜フォーラムが開催され、李善姫助教(東北大学東北アジア研究センター)、山内宏泰氏(リアスアーク美術館館長/学芸員)、鈴木ひかる氏(元福島県立相馬高校放送局)の3名が招かれて発表しました。各発表では、多様性の観点からみた各地の震災伝承館の展示傾向、災害伝承を地域文化から始める重要性、災害ドラマやドキュメンタリーにおけるジェンダーと多様性など、さまざまな「多様性」が論じられ、発表後はパネル討論も行われました。  本フォーラムの企画および司会・モデレータは、IRIDeSの...

2021.11.26

【研究紹介】脳から得られた膨大なデータを読み解き、精神疾患の要因を研究ー「ストレス」を鍵に、災害精神医学を生物学的に考えるー

▷はじめに  統合失調症は人生に大きく影響を与える精神疾患で、約100人に 1人が発症します。統合失調症は精神医学が取り組んできた重要課題ですが、その要因としては、先天的な遺伝 的要因と、後天的な環境要因があります。そして災害も、統合失調症の環境要因となる可能性があります。  IRIDeS の日野瑞城特任助教は、統合失調症の主に生物学的要因に着目し、人間の脳を詳細に調べながら、何がこの精神疾患と関係しているのかを追求しています。   災害精神医学分野 日野瑞城 特任助教 ▷「細胞にストレスを与えるとどうなるか」を研究  もともと日野助教は、大学時代から博士号取得後まで、細胞にストレスを与えた際の変化を研究していました。  “ ストレス ” とは、元々物理学・工学の専門用語でした。物体に外から力をかけると形がひずみ、その中に力がたまり、はね返そうとします。この元の状態に戻ろうとしている状況が、 “ ストレス状態 ” です。その後、“ 人間や動物に外から力がかかると...

2021.4.1

【お知らせ】IRIDeSで新部門体制が発足

 IRIDeS は2021年4月から、より強固かつ柔軟な研究・実践活動に向け、従来の6部門を再編し、新たな4部門体制を発足させます。     災害評価・低減研究部門  理学と工学の統合により、国内外の災害評価及び対応に関する先端研究を推進します。被害の現地調査、各種観測、自然現象と被災過程の数値シミュレーション、先端的リモートセンシング、可視化、ロボット関連技術の開発などの研究に取り組み、防災・減災につながる実践的提案も行います。   災害人文社会研究部門  人の心と行動・建物・社会基盤を含む国内外の地域社会を研究対象に、災害教訓を未来に伝え、各地の防災と復興に資することを目指します。歴史・アーカイブ、地域・都市・空間デザイン、認知特性の研究を連携させ、変化する災害に対応した被害軽減と、レジリエントな地域社会構築に向け具体策を提言する研究に取り組みます。   災害医学研究部門  連携により発災前から復興期までに関する途切れない研究を行い、広域・複...

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