IRIDeS Newsletter | 東北大学 災害科学国際研究所 IRIDeS

2016.4.8

地下鉄開通とともに、開かれた研究所へ 奥村誠 副所長 (vol.2)

昨年12月、待望の仙台市営地下鉄東西線が開通しました。IRIDeS棟は「青葉山」駅から徒歩3分となり、ぐっと便利になりました。今日は、交通計画の専門家である奥村誠副所長による、「大学と地下鉄」についての話です。

 

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奥村先生写真2

奥村教授: IRIDeS棟がある青葉山は、名将・伊達政宗が居城に選んだ場所だけあり、地形的には難攻不落でした。広瀬川と断崖絶壁に阻まれ、敵が攻めにくかったのです。しかし、それは現代社会においては、お客さんが来にくく、観光シーズンの渋滞や大雪で容易に孤立するということでもありました。

 

その状況を、この度開通した地下鉄東西線が一挙に変えました。リニアモーター技術でもって、急勾配の山へ地下鉄が登っていけるようにしたのです。新幹線が停まる主要駅から大学のメインキャンパスまで、地下鉄一本でアクセスできる総合大学はそもそも少ないのですが、国立大学では東北大学だけです。

 

地下鉄東西線開通にともない、IRIDeSは新幹線・仙台空港アクセス線につながり、国内外の方々に、天候や渋滞の心配なく来ていただきやすくなりました。また地下鉄は、地震の時でも、地下の構造物が一体的に揺れるので被害が少ない、と言われています。

 

 

奥村先生地下鉄写真1阪神・淡路大震災や中越地震の後は、自治体等が経費を負担し、災害経験を後世に継承するための大きな施設が作られました。しかし、東日本大震災は非常に広域な巨大災害であったこともあり、メモリアルのための主だった施設は、まだ作られていません。

 

そのような状況で、2016年3月、地下鉄東西線の東(海側)の終点である荒井駅構内に「せんだい3.11メモリアル交流館」がオープンしました。今後、IRIDeSも、地下鉄沿線である地の利を生かして、災害・防災に関する社会情報発信を積極的に行う、開かれた研究所を目指したいと思っています。

 

 

 


 

【広報室よりイベントのお知らせ】

 

・ラボカフェスペシャル「地球と人の営みから見えてくる災害」 川島秀一教授ほか

 街の災害碑を巡るツアーラボカフェ

 日時:2016年4月9日(土) 場所:京阪電車なにわ橋駅 アートエリアビーワン(大阪市北区中之島)

 

 

日本地震学会 教員免許状更新講習「東北の地震・津波と防災」今村文彦教授、日野亮太教授、久利美和講師

 日時:2016年8月8日(月) 場所:東北大学

 

 

 IRIDeS 広報室: 電話 022-752-2049、Eメール irides-pr*grp.tohoku.ac.jp (*を@で置き換えてください)

 

 

 

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