IRIDeS Newsletter | 東北大学 災害科学国際研究所 IRIDeS

2016.4.18

日奈久断層帯の地表地震断層を確認 続報(遠田教授、岡田助教) (vol. 7)

日奈久断層北部1今回の調査では、16日のM7.3の地震によって、布田川断層帯の一部に沿って、また日奈久断層帯北部にも地表地震断層を確認し、地表面に出現していることが明らかになりました。

 

現在のところ、今回の調査で、布田川断層帯では、最大約2mの右横ずれの地表地震断層を、日奈久断層帯北部では、最大約 50cmの右横ずれの地表地震断層を測定しています。

 

布田川断層帯の東部は、阿蘇大橋周辺の地すべり等およびその救助活動で、立ち入ることが難しいため、地上での 踏査は難しいですが、報道等の空撮映像からは、地表地震断層の出現している可能性が高いことが判明しています。よって今回の地表踏査で確認されている地表 地震断層の位置よりも、さらに東まで延びる可能性があります。

 

また、日奈久断層帯の地表地震断層も、我々は現在の学会等からの報告よりも南の位置で、地表地震断層を発見しましたが、今後さらに南側でも変位が確認できる 可能性があり、こちらに関しても、地表地震断層は南に延びる可能性があります。

 

地表の地震断層のずれの方向・ずれの量などを空間的に明らかにすることは、地震で地下がどのようにずれ動いたかを推測する手がかりになります。地下深部での断層のずれ量の分布は、地震波の解析でもある程度、わかるようにはなってきましたが、物的な証拠は 地表でのずれ量を計測することのみです。

 

今回のような活断層による地震が発生した場合には、まず上記のように活断層の性状を明らかにするために、地表地 震断層について、その位置(空間的連続性を含む)・ずれの量・様式(右横ずれ・左横ずれ・正断層型・逆断層型など)を調べることから始まります。

 

調査地点 調査地点の位置図の作成にはGoogle Earthを使用した。

 

 

 

 

 


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