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2016.12.27

防災進捗状況をはかる「指標」について説明(第3回 仙台防災枠組講座を開催)

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12月10日、IRIDeSと仙台市は「ともに考える防災の未来―私たちの仙台防災枠組講座シリーズ」第3回をIRIDeS棟にて開催し、IRIDeSの小野裕一教授が、仙台防災枠組をめぐる最新の国際状況を、参加した市民の方々に向けて説明しました。

 

2015年3月、仙台市にて第3回国連防災世界会議が開催され、成果として今後15年間の世界の防災指針となる「仙台防災枠組」が策定されました。この枠組には、「2030年までに、災害による死者数・損害額を大幅に削減することを目指す」など、7つの重要な目標が設定されています。しかし、これらの目標が各国でどれだけ達成されたかを、どうモニターし、測定していくかに関する具体的な「指標」については、交渉が時間切れとなったため、国連防災世界会議の期間内に決められず、仙台防災枠組の「宿題」として残されていました。

 

その「宿題」の決着をつけるため、その後各国は政府間会合を重ね、東北大学も日本政府代表団の一員として参加しましたが、先11月18日、ついに交渉が終結し、仙台防災枠組の実施進捗状況をモニターするための指標と関連する用語がまとまりました。例えば、「災害による死者数を大幅に削減できたか」については、「10万人あたりの災害による死亡者数と行方不明者数の総和」という指標ではかることが、今回の交渉で国際的に合意されました。これら指標の内容等については、2017年1月以降の国連総会にて正式に決定されることになります。

 

講座で小野教授は、「仙台枠組に具体的な指標が設定され、いよいよ成果が問われることになりました。しかし、これら指標は、災害被害統計が未整備の国でも実施できるよう、大まかに設定してあるのも確かです。防災先進国である日本で、より詳細なデータを積み上げ、仙台枠組実施にあたり、範を示していくことが重要です」とコメントしました。続いてマリ・エリザベス助教は、「一般市民にとって、防災をめぐるこういった国際状況は、遠い話に感じがちではないでしょうか」と問題提起し、指標を地元レベルにあてはめて考えた具体例を挙げつつ、「仙台市民として、国際レベルの話を各自の防災活動につなげて考え、地元から国際協力を行っていきましょう」と呼びかけました。仙台の名前が冠された国際的に重要な防災枠組の推進にあたって、今後、地元・仙台の活動が注目されます。

 

 

%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%af%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%97 ワークショップの様子
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%e7%99%bd%e7%99%be%e5%90%88 仙台白百合学園の皆さんも取り組みを発表

 

 

 

img_4393-%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc 今村所長からの修了証授与の様子

7月から開始された仙台防災枠組講座シリーズは、今回の第3回でいったん最終回を迎え、全講座を受講された市民の方々へ、IRIDeSの今村文彦所長から修了証が授与されました。

 

2017年1月21日、特別講座として「大人も子どももともに学ぼう じぶん防災行動」が開催され、IRIDeSの今村文彦所長と保田真理助手がワークショップを行う予定です。

 

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【お問い合わせ】IRIDeS広報室 電話 022-752-2049、Eメール koho-office*irides.tohoku.ac.jp (*を@で置き換えてください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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