IRIDeS NEWs | 東北大学 災害科学国際研究所 IRIDeS

2020.11.27

【活動紹介】2019年台風19号災害に関する最終報告会を開催

 2019年台風19号により、岩手県・宮城県・福島県における死者は59名に達し、甚大なインフラ被害も発生しました。土木学会、地盤工学会、日本地すべり学会の各東北支部とIRIDeSは、東北学術合同調査団として互いに連携し、被害実態やメカニズムの解明に当たってきましたが、発災から1年余りとなる2020年11月20日、2019年台風19号災害に関する最終報告会をオンラインで開催しました。

地盤災害シミュレーションのための道具と入力情報
(図:森口周二准教授提供)

 報告会では、河川氾濫、地盤災害・土砂災害、災害対応等の観点から、岩手県・宮城県・福島県に関する知見が発表された後、発表者は参加者から寄せられた質問を検討しながら今後の防災・減災に関し意見交換を行いました。

 

 IRIDeSの今村文彦所長は、所内研究者による調査・研究、丸森町など被災した自治体への支援活動等を発表した後、意見交換会において、「災害被害を拡大させない鍵の一つは、連鎖災害を防ぐことだと考える。重要設備を重点的に守ることが、すみやかな復旧・復興につながる」と述べました。森口周二准教授は、地盤工学会東北支部を代表して福島県・宮城県の地盤災害・土砂災害について報告し、被害概要・要因をまとめた後、今後の課題として、まだデータベースが不十分であり、特に地表面より下の情報の整備が、高精度の土砂災害シミュレーションに必要であること等を指摘しました。

 

 報告会においては、合同調査団団長の田中仁・東北大学教授はじめ複数の発表者が災害の激甚化傾向を指摘し、科学技術のみでは防災に限界があるため、自治体・住民はじめ関係者と協力してあたる必要性を強調しました。報告会の参加者は134名に及び、東北三県のみならず首都圏や九州など遠隔地からの参加もありました。

 
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【お問い合わせ】
 IRIDeS広報室 電話 022-752-2049、Eメール @
 

 

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