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2022.2.18

記者懇談会において、東日本大震災で亡くなられた方々に関する研究の進捗を報告

IRIDeSの門廻充侍(せと しゅうじ)助教・今村文彦教授らは、宮城県警察本部から提供された東日本大震災犠牲者に関する情報の分析を、2018 年度に開始しました。研究グループは、震災における人的被害の解明と、今後の人的被害軽減に関する提言を目指して分析を続け、毎年2月に、1年間の研究の進捗をメディア関係者に説明する記者懇談会を開催しています。

今村文彦教授

2022 年2月 18 日、門廻助教らは第4回となる記者懇談 会をオンライン開催し、2021 年度に得られた本研究に関する知見をまとめ、報告を行いました。前年度までは陸上での被害実態の 報告が中心でしたが、今回の記者懇談会では、海上で発見された方々 568 名に関する詳細な分析と、今後、低体温症リスクによりよく対応するための提案等を行いました。

今回の懇談会において、門廻助教は、海上で見つかった犠牲者の数は、沿岸自治体の海域別でみると石巻市、女川町、気仙沼市の 順に多くなっていたことや、平野部よりリアス式沿岸部のほうが、海上流出のリスクが高いこと等を述べました。また、これまでの 研究知見に基づき、今後の低体温症リスクへの対応策として、低体温症リスク・チェックシートを考案し、提示しました。さらに、 今村教授は、津波メカニズムの説明などを補足しました。

 

門廻充侍助教

当日は、主に仙台と東京から、新聞・テレビ の報道部・科学部の記者など報道関係者約 15 名が出席し、多くの質問が寄せられました。門 廻助教は、「海上流出した場合、どのように命 を守り、そして迅速な発見および救助に繋げる か。今回示された新たな課題と向き合い、今後 起こり得る津波災害において、海上での犠牲者 に加え、行方不明者や身元不明者を減らす事に も繋げていきたいと思います」とコメントしま した。

 

 

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