2022.1.14
【活動紹介】第5回石巻市復興・防災マップコンクール表彰式に参加
2022 年 1 月 12 日午後、宮城県石巻市防災センターにて「第 5 回石巻市復興・防災マップコンクール表彰式」が開催され、石巻市学校防災推進会議の委員長をつとめる IRIDeS の佐藤健教授も参加しました。今回のコンクールには、石巻市内の小・中学校の児童・生徒が作成した復興・防災マップ計 97 作品の応募がありました。表彰式では、審査で優れていると認められた作品に対し、石巻市長賞をはじめとする各賞が授与されました。佐藤教授は、賞の一つである「東北大学災害科学国際研究所特別賞」の賞状を、石巻市立大谷地小学校 6 年生および同飯野川中学校 3 年生に授与する役割を担い、また、今回受賞したマップ全般に関する講評も行いました。
東日本大震災発生の 1 年後から、石巻市教育委員会の協力のもと、同市の小・中学校の児童・生徒たちは総合的な学習の時間などを用いて、地域の復興や防災に関する状況を自分たちで調べ、地図上で表現する活動に取り組んできました。この活動のベースとなっているのは、IRIDeS 防災教育国際協働センターが作成した「『復興・防災マップづくり』実践の手引き~郷土の自然と暮らしを知るために~」1)です。「手引き」には、既存の地形図やハザードマップ等からの情報も活用し、またフィールドワークや家族・地域の人々へのインタビューを通じ、復興や災害リスクに関する状況とあわせて地域の歴史や魅力を調べ、手作りマップとして表現していく手法が示されています。各学校は「手引き」を参考にしながら、地域に根差したテーマのもとにマップ作りの学習活動に取り組んできました。今回、石巻市長賞として高く評価された石巻市立北上小学校の作品は、津波の歴史や避難場所等が地形図とともにわかりやすく表現された優れた内容でした。また、ほかの受賞作品も、津波・洪水・原子力災害・土砂災害等を取り上げて意欲的に取り組んだものでした。講評において、作成されるマップのレベルが年々上がっていることが指摘されました。
佐藤健教授は、「マップ作成は最終目的ではなく、あくまで、子どもたちと地域の方々をつなぎ、復興まちづくりや持続可能なまちづくりにつなげる手段です」と述べています。各校のマップづくりに対し、佐藤教授はじめ防災教育国際協働センターのメンバーが適宜、助言を行うこともありますが、専門家の役割はあくまで補助的であり、マップづくりの学習活動は各校の自律的な取り組みとして続いているということです。
1)「復興・防災マップづくり」実践の手引き~郷土の自然と暮らしを知るために~
http://drredu-collabo.sakura.ne.jp/cms/wp-content/uploads/jissen_no_tebiki_hajimeni.pdf
原子力災害時の避難マップを作成し、 東北大学災害科学国際研究所特別賞を受賞した飯野川中学校の皆さん(右端は佐藤健教授)