准教授
博士(工学)
平野 勝也
HIRANO Katsuya
ひらの かつや
兼任先 工学研究科
復興まちづくりには様々な課題があります。そうした課題をクリアしながら、人口減少の時代に対応した、少しでも質の高い持続可能な街となるように、公共空間整備を中心に石巻市全域、女川町中心街(写真)の復興まちづくりに実務的に取り組んでいます。そうした実務的な活動の中から、復興制度の持つ課題や、現代的なまちづくりの課題が浮き彫りになってきています。
被災地の風景の基底を作るのは「自然」と、そして道路、堤防、水門などの社会基盤施設です。そうした社会基盤施設のデザインを、使いやすく、快適で周辺との景観とのなじみはもちろんのこと、街との関係性も含めてデザインしていかなければなりません。被災地の風景の基底を底上げすべく石巻での河川堤防(写真)、高田松原津波復興祈念公園、閖上かわまちづくりなどの土木デザインに取り組んでいます。そして、そうしたデザインを実現するための形や空間認識の論理、そして制度的な論理を探求しています。
風景や都市の認識は複雑で多様です。そのために現象を適切に切り分けながら深めていかないと本質が見えてきません。一つの空間の印象形成であっても、例えば図のような認識の順序や階層を想定して現象を切り分けながら研究を進める必要があります。最近はより高度な空間体験を記述していくために複数の物や空間の関係性認識まで対象を拡大して、研究を深めています。