組織・メンバー

災害人文社会研究部門
歴史文化遺産保全学分野
特任教授(客員)
KAMIYAMA Machiko
かみやま まちこ

研究テーマ
被災地における心理社会的支援のあり方について検討しています。その一例として、個人所有の歴史資料のレスキューと保全が、資料所有者個人や地域にとって、アイデンティティの回復のための心理社会的支援となることを、臨床心理士による面接とPAC分析によって明らかにするという課題に取り組んでいます。
研究キーワード
歴史資料レスキュー / 臨床心理学 / 心理社会的支援
研究概要

WHOなどの国際連盟関連機関では、国際NGOと伴に機関間常設委員会(IASC)を設置し、2007年に人道的支援のためのガイドラインを作成しました。その中で特に強調されているのが、心理社会的支援です。この支援方法は、従来の疾患対応型の支援によって行われて来たdebriefingに換わる支援モデルとして推奨されています。現在は、その効果のエビデンスと事例を集めることが、研究者と実践家に求められています。被災した個人所有の歴史的な資料をレスキューし保全することは、被災者のアイデンティティを取り戻し精神保健面での効果があることが、調査によって明らかになってきました。現在は、レスキューを経験した所有者を対象にして、臨床心理学的な面接技法を用い、結果の解析を行っています。

主な業績
  • 上山真知子.(2011). 避難所での子どもの遊び場づくりの1カ月―その意味を考える―. 発達128, 20-28. ミネルヴァ書房.
  • 上山真知子.(2012). 被災地の子どもたちへの心理社会的支援―遊び場作りを通しての考察. 精神医療, No. 65, 65-74.
  • 上山真知子. (2013). 教師支援を通して見えてきた被災地の今 発達133. 18-25. ミネルヴァ書房
  • 上山眞知子. (2015). 東日本大震災後の心理社会的支援―被災地の心理学者として学んだことー. 村本邦子(編著), 隣地の対人援助学(pp59-69). 晃洋書房
主な所属学会
  • 日本心理臨床学会 
  • 日本発達心理学会 
  • 日本児童青年精神医学会 
  • 日本精神分析学会