- 研究テーマ
- 災害による被害推計の高度化・リアルタイム化、発災直後の迅速な被害把握と災害救援活動への技術的貢献を目標として、数値シミュレーション、リモートセンシング、ジオインフォマティクスを融合した新しいアプローチでの研究に取り組んでいます。
- 研究キーワード
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数値シミュレーション
/ リモートセンシング
/ ジオインフォマティクス
- 関連サイト
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- 研究概要
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次世代のリアルタイム津波浸水被害予測システムに関する研究
スーパーコンピュータの利用により、地震発生後短時間で津波浸水被害予測・配信を行う技術の開発に産学連携で取り組んでいます。2017年には「トリプル10(テン)チャレンジプロジェクト」と称して、10分以内の津波発生予測、10分以内の浸水被害予測を10メートルメッシュで行うという技術的な課題に挑戦して、世界初のスーパーコンピュータによるリアルタイム津波浸水・被害予測システムを開発・実用化しました。この研究は、本学理学研究科の日野亮太教授、太田雄策准教授、情報科学研究科の小林広明教授との共同研究、およ民間事業者との産学連携研究により推進しています。現在、内閣府の災害対応にも利用されています。また,東北大学発ベンチャーRTi-castを設立し,リアルタイム津波浸水被害予測システムの社会実装を勧めています.
シミュレーション統合によるビッグデータ解析基盤に関する研究
JST CREST(戦略的創造研究推進事業)に採択され、大規模・高分解能リアルタイム数値シミュレーションの連携とリアルタイム観測データ同化による、ビッグデータ解析基盤・減災システムの創出に取り組んでいますこれにより災害における最悪シナリオやそれを回避するための方策をリアルタイムで提示するとともに、政府・自治体等の防災システムへの実装を果たします。
災害リモートセンシングに関する研究
巨大災害後の対応や被災地での救援活動において最も重要なことの一つは被害の全容把握です。そのために、リモートセンシングの研究を推進しています。衛星、航空機、ドローンなどの様々なプラットフォームに登載したセンサから得られたデータや画像(光学センサ、ハイパースペクトルセンサ、合成開口レーダ、LiDAR)を統合的に解析し、様々な画像解析手法(機械学習、深層学習)を駆使しながら、浸水範囲、建物被害、そして被災者を探索する手法について研究しています。
- 主な業績
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- Koshimura, S., L. Moya, E. Mas, Y. Bai, Tsunami Damage Detection with Remote Sensing: A Review, Geosciences, 10(5), 177, 2020. doi:10.3390/geosciences10050177
- Moya, L., Muhari, A., Adriano, B., Koshimura, S., Mas, E., Marval-Perez, L. R., Yokoya, N., Detecting urban changes using phase correlation and ℓ1-based sparse model for early disaster response: A case study of the 2018 Sulawesi Indonesia earthquake-tsunami, Remote Sensing of Environment, 242(6), 2020. doi:10.1016/j.rse.2020.111743
- Inoue, T., T. Abe, S. Koshimura, A. Musa, Y. Murashima, H. Kobayashi, Development and Validation of a Tsunami Numerical Model with the Polygonally Nested Grid System and its MPI-Parallelization for Real-Time Tsunami Inundation Forecast on a Regional Scale, Journal of Disaster Research, Vol.14, No.3, pp.416-434, 2019. doi: 10.20965/jdr.2019.p0416
- Musa, A., O. Watanabe, H. Matsuoka, H. Hokari, T. Inoue, Y. Murashima, Y. Ohta, R. Hino, S. Koshimura, H. Kobayashi, Real-Time Tsunami Inundation Forecast System for Tsunami Disaster Prevention and Mitigation, Journal of Supercomputing, pp.1-21, 2018. https://doi.org/10.1007/s11227-018-2363-0
- Bai, Y., E. Mas, S. Koshimura, Towards operational satellite-based damage-mapping using U-net convolutional network: A case study of 2011 Tohoku earthquake-Tsunami, Remote Sensing, 10, 1626, 2018. doi:10.3390/rs10101626
- 主な所属学会
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土木学会
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日本地震工学会
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日本計算工学会
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地域安全学会
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American Geophysical Union
- 主な受賞
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第1回 日本オープンイノベーション大賞 総務大臣賞、2019年2月
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科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)、2018年4月
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土木学会論文賞(土木学会)、 2010年5月
- その他
株式会社RTi-cast ファウンダー,CTO (兼任)
国立研究開発法人理化学研究所 客員研究員(兼任)