組織・メンバー

災害医学研究部門
災害公衆衛生学分野
教授
博士(医学)
KURIYAMA Shinichi
くりやま しんいち

兼任先 医学系研究科
研究テーマ
大規模災害時の公衆衛生向上に関する研究を行っています。大規模災害のリスク認識向上に関する調査、津波対策としての「フロートパック」の実用化、東日本大震災において亡くなられた方々の死因を明らかにするための人口動態統計の死亡票調査、東日本大震災被災地の小児保健に関する調査及び大規模災害が中長期的健康に与える影響に関する大規模疫学調査(三世代コホート調査)を行っています。
研究キーワード
災害公衆衛生学 / リスク健康教育 / フロートパック / 死因調査 / 健康影響
研究概要

大規模災害に備えるためには日頃からそのリスクを認識していることが必要です。リスクを認識することで対策を考え、発災の際には迅速かつ的確に対応できるからです。公衆衛生学ではこれまで、痛くもかゆくもない方々に禁煙や減塩などの行動変容を実現し、脳血管障害などの病気を減らすことに成功してきました。災害公衆衛生学も同様の手法を用い、大規模災害のリスクを十分に認識していただいて、いざという時の減災につながる適切な備えを行っていただくことを目指しています。

津波対策としての「フロートパック」の実用性を目指し、津波水理実証実験などを検討しています。津波の死因としては溺死のみならず、外傷、凍死、汚泥などの誤飲があります。このうち溺死につきましては、意識がなくなっても上向きで浮いていられるようにライフジャケットを改良し、これをフロートパックとよんでいます。外傷に対してはプロテクト機能を持たせ、保温やマスク機能を持たせるなどの検討を行っています。

大規模災害が健康に与える中長期的影響について研究を行い、必要な支援を行っています。東日本大震災被災地の小児保健に関する調査研究では、被災の経験のある就学前の幼児で、肥満が増加していることを見出したため、その改善に取り組みました。また、大規模災害が中長期的健康に与える影響に関する大規模疫学調査(三世代コホート調査)によって、被災の大きい妊婦では低出生体重児の出現割合が大きいこと、低出生体重の子どもが成長して妊娠した場合、妊娠高血圧症候群になる割合が高いこと、および妊娠高血圧症候群の妊婦から産まれた子どもでは、2歳時に自閉傾向の高い子の割合が高くなることを見出し、情報発信と政策提言を行っています。

主な業績
  • Cohort Profile: Tohoku Medical Megabank Project Birth and Three-Generation Cohort Study (TMM BirThree Cohort Study): Rationale, Progress and Perspective. Kuriyama S, Metoki H, Kikuya M, Obara T, Ishikuro M, Yamanaka C, Nagai M, Matsubara H, Kobayashi T, Sugawara J, Tamiya G, Hozawa A, Nakaya N, Tsuchiya N, Nakamura T, Narita A, Kogure M, Hirata T, Tsuji I, Nagami F, Fuse N, Arai T, Kawaguchi Y, Higuchi S, Sakaida M, Suzuki Y, Osumi N, Nakayama K, Ito K, Egawa S, Chida K, Kodama E, Kiyomoto H, Ishii T, Tsuboi A, Tomita H, Taki Y, Kawame H, Suzuki K, Ishii N, Ogishima S, Mizuno S, Takai-Igarashi T, Minegishi N, Yasuda J, Igarashi K, Shimizu R, Nagasaki M, Tanabe O, Koshiba S, Hashizume H, Motohashi H, Tominaga T, Ito S, Tanno K, Sakata K, Shimizu A, Hitomi J, Sasaki M, Kinoshita K, Tanaka H, Kobayashi T, Kure S, Yaegashi N, Yamamoto M; Tohoku Medical Megabank Project Study Group. Int J Epidemiol. 2019 Aug 25. pii: dyz169. doi: 10.1093/ije/dyz169
  • Prefabricated Temporary Housing and Eczema or Respiratory Symptoms in Schoolchildren after the Great East Japan Earthquake: The ToMMo Child Health Study. Kuniyoshi Y, Kikuya M, Miyashita M, Yamanaka C, Ishikuro M, Obara T, Metoki H, Nakaya N, Nagami F, Tomita H, Hozawa A, Tsuji I, Kure S, Yaegashi N, Kuriyama S. Disaster Med Public Health Prep. 2019 Jun 3:1-7. doi: 10.1017/dmp.2019.8.
  • Association of Feeding Practice with Childhood Overweight and/or Obesity in Affected Areas Before and After the Great East Japan Earthquake. Kuniyoshi Y, Kikuya M, Matsubara H, Ishikuro M, Obara T, Kure S, Kuriyama S. Breastfeed Med. 2019 Jul/Aug;14(6):382-389. doi: 10.1089/bfm.2018.0254. Epub 2019 Apr 13.
主な所属学会
  • 日本公衆衛生学会
  • 日本疫学会
主な受賞
  • 平成18年1月 日本疫学会奨励賞
  • 平成20年1月 宮城県医師会医学奨励賞金賞
  • 平成20年1月 東北大学医学部奨学賞金賞
その他
東日本大震災で被災された方々に今何が必要か。今後大規模災害に被災される可能性のある方々に今何が必要か。いずれも公衆衛生学が大きな貢献をすることができると考えています。東日本大震災で被災された方々には、中長期的に健康影響を把握し必要な支援を行います。今後被災される可能性のある方々には、リスク認識向上やフロートパック開発などを行います。