教授
博士(行動科学)
邑本 俊亮
MURAMOTO Toshiaki
むらもと としあき
兼任先 情報科学研究科
災害の記憶を、地域や世代を超えて伝えていくことは非常に重要な課題です。現在、大学生を対象として、被災地訪問よるアクティブラーニング型のゼミナールを実施し、震災のことを他地域の小・中・高校生へ伝えるイベントを企画・開催する実践研究を進めています。同時に、学んだことを伝える側になる大学生がイベントを企画するまでのプロセスにおいて、どのような認知面・心理面での変遷があるのかを明らかにしようとしています。さらに、各防災教育イベントの特徴や相違点、メリットとデメリットなどを比較検討しながら、有効な災害伝承・防災学習システムの構築のための礎を築くことを目指しています。
知識を応用可能な形で獲得するにはどうすればよいのでしょうか。私は学習者の理解過程に着目し、抽象文を読解する際の理解過程の類型によって、そこから得られる知識の応用可能性が異なることを明らかにしました。具体的には、抽象文からいくつかの具体例を自己生成し、それらを自分の言葉でまとめ、その後さらに別の具体例を生成するといったプロセスで理解した学習者の、その後の応用問題の成績が良いことを明らかにしました。また、こうした理解過程は、学習者が自ら能動的に遂行することが重要であり、それを導くような文章を読むことによっては知識の応用可能性が高まらないことも示しました。