特任教授
博士(国際地域学)
永見 光三
NAGAMI Kozo
ながみ こうぞう
本務先 グリーン未来創造機構
災害による被害を減らすには、日頃からいかに災害リスクを最小化する努力を積み重ねるかが最重要になります。事前の備えとしては、防災教育や社会経済的な個人やコミュニティの災害対応キャパシティを向上させることも重要ですが、事前防災投資によって社会全体でHazard Exposureを最小化させ個々の施設やインフラの脆弱性を低減することが非常に重要で、構造物対策はその最大の役割を果たします。日本はじめ先進国では、過去の歴史的な蓄積によって、高頻度低強度のHazard Exposureは未然に無力化されていますが、開発途上国は、経済社会的な開発が優先されるばかりに、その蓄積が極めて不十分なまま高度成長時代を迎え、さらにその不十分さが露呈し拡大するばかりとなっています。私は28年以上におよぶJICAでの開発事業の経験をもってその実態を見て来ました。ですので、最大の研究及び教育の課題は、この現状を少しずつでも着実に地道に是正していくことです。そのための方法論とロジックを確立していきたいと考えています。