情報化社会に伴う無線通信の増加に伴い電波需要増大が起き、無線電波帯域のひっ迫が起きています。そこで従来使われていなかった短波長のミリ波による通信により5Gを超える通信の必要性が高まっています。しかし、ミリ波は直進性が高く、回折性が弱く、ビル陰など障害物の影に弱い問題があります。そこで、液晶制御による任意角度への反射ができるインテリジェントリフレクトアレーを用いた、障害物の陰にあるデバイスへ電波を届ける技術が重要になっています。位相制御の幅を広く持たせるために厚膜液晶でも高速に制御できる技術が必要となっており、壁面配置、電極配置、高分子ネットワークなどを駆使しての高速化を目指しております。
太陽電池が広く普及しつつ電力系統に接続され重要なエネルギー源となっています。しかし、電気自動車・衛星・電気飛行機などエネルギーが必要でも電力系統に接続できないモビリティ用途があります。集光を用いた多接合太陽電池という50%近い変換効率を実現できるデバイスがあります。太陽光は動くため、集光を用いると太陽と集光系を正対させないとならず、従来は巨大な装置が必要でした。しかし、集光系と太陽電池を組にしてどのような入射角度でも小さな動作や、液晶による電気的動作のみで太陽を追尾できれば、高い面積対変換効率を実現でき、モビリティ用途にも適切な発電源となります。
近年はドローンの普及が著しいですが蓄電池による駆動なので航続可能距離の制約を受けています。そこで、エネルギーをレーザー光で伝送できれば航続可能距離を延ばせる可能性があります。しかし、レーザー発信装置とドローンは相対的にどのような角度になるかは様々なに変化します。なのでドローンが相対的にどのような入射角度でもレーザー光受光器が必要です。また、人体に極力安全な波長の光を使おうとすると集光により光電変換デバイスも小型化を行うことが望ましいです。どのような入射角度でも集光して光電変換できるデバイスに導くことで、レーザーによる光無線給電を可能にして航続可能距離が長いドローンを実現できます。
“Calculation of the interaction between an overlapping spherical lens and a pin-type second optical element for spherical lens microtracking concentrator photovoltaic with a wide angle of incidence”,Japanese Journal of Applied Physics 63(5)(2024.5) 052002-052002 Masakazu Nakatani
高速なミリ波制御に向けた高分子隔壁付きリフレクトアレー用厚膜液晶の配向安定化 第71回応用物理学会春季学術講演会, (2024.3), 23p-P02-13 中谷誠和, 羽田智也, 青柳亮, 佐藤弘康, 石鍋隆宏, 陳 強, 藤掛英夫
“Characterization of core-shell spherical lens for microtracking concentrator photovoltaic system”, Energies, Vol.12, No.18, pp.3517-3531 (2019)Masakazu Nakatani, Noboru Yamada
“Optical analysis of a PMMA–water core-shell spherical lens for microtracking concentrator photovoltaic systems”, OSA Continuum, Vol. 2, No. 11, pp.3165-3175 (2019) Masakazu Nakatani, Noboru Yamada
“Optical Simulation of Two-Shell Spherical Lens for Microtracking CPV System”, 2018 IEEE 7th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC) (A Joint Conference of 45th IEEE PVSC, 28th PVSEC & 34th EU PVSEC), pp.0927-0930, Waikoroa Hawaii USA, (2018.6)Masakazu Nakatani, Noboru Yamada