東日本大震災の翌2012年3月に内閣府は、宮城県の障害者死亡者数は1,028名で全障害者数比1.7%であり、これは全死亡者数の総人口比0.4%の4倍以上であることを公表しました。日本障害フォーラムは、この数値の中に人災の要素が込められていることを指摘しています。このような社会的不利益を少しでも減少させうる取り組みなしには、本来的な共生社会の形成は難しく、インクルーシブ防災の研究が今後ますます必要性を増していくと考えます。障害のある人が含まれる様々なコミュニティでの試行的アプローチの検討と、障害のある子ども・大人の脆弱性に焦点をあてたより広範囲な特別支援教育の展望を模索しています。
Sugai,H. (2023) Action Research on Education for Children Who Are Sensory-Impaired with Disabilities. Journal of Special Education, 12(1),13-17.DOI: 10.6033/specialeducation.21-S023
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菅井裕行・松﨑丈・津田智史・大竹奈保子(2022)聴覚支援学校の授業実践における情報アクセスとコミュニケーション保障ーろう重複障害の子どものコミュニケーションを中心にー. 宮城教育大学情報活用能力育成機構研究紀要, 2,23-37.
菅井裕行 (2016) 被災した障害のある子どもに対するコミュニティ・アプローチ. コミュニティ心理学研究, 19(2), 140-146. https://doi.org/10.32236/jscpjournal.19.2_140
田中真理・川住隆一・菅井裕行 (2016) 東日本大震災と特別支援教育ー共生社会にむけた防災教育をー. 慶應義塾大学出版会.