「津波ハザード・リスク評価」2004年インド洋大津波や2011年東北地方太平洋沖地震等のような巨大津波による建物や船舶等の被害データを使用し、最先端の統計学手法や津波流速、漂流物効果を適用し、より精度の高い被害関数を構築します。更には、これまで津波災害を経験したことがない地域においても、津波数値解析による津波外力及び建物の耐力を使った新しい被害評価手法を提案します。これらの研究内容はGlobal Tsunami Model (GTM)へ貢献しています。
(下図)提案手法による石巻市における木造住宅の被害予測結果の検証。
青:倒壊・流失した建物を再現できた。
緑:倒壊・流失しなかった建物を再現できた。
赤・オレンジ:再現できなかった。
「津波防災対策・連鎖災害」2011年東北地方太平洋沖地震や2018年スラウェシ島津波、2018年スンダ海峡津波等からの教訓として、構造対策(防波堤、防潮堤、海岸林、嵩上げ道路といった多重防御対策)及び非構造対策(津波警報、津波避難、防災教育、都市計画等)による効果を評価し、地域毎の安全なまちづくりに効果的な津波防災対策を提案します。現在はユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)との共同研究で、連鎖災害における巨大地震・津波災害により拡大される影響を予測し、直接被害だけではなく、拡大された間接被害も含めた効果的な防災対策を対案するように取り組んでいます。
(下図)仙台市における津波による多重防御対策
「世界津波の日」国内外の研究ネットワークと共に、過去400年の地震・津波データ、数値解析モデルを使用し、グローバルスケールで津波によるハザード評価を行い、世界津波の日を通じて可視化した結果を国連機関(UNDRR、UNDP、UNITAR)等で津波の危険性が高い地域を示し、それら地域にて防災出前授業、津波避難訓練、国際津波博物館会議等のような津波防災啓発イベント開催の支援をし、貢献しています。更にはグローバル船舶ネットワークを使用し、巨大津波による脆弱性が高い港湾や船舶の経路に及ぼす影響に関する研究に取り組んでいます。
World Tsunami Awareness Day: https://www.unisdr.org/tsunamiday
(下図)1600年-1969年に発生した津波の最大水位分布。1700年にアメリカ西海岸で発生したカスケード津波、1755年にポルトガルで発生したリスボン津波等は、200-300年以上巨大津波を経験しておらず、津波意識を向上する為の啓発活動が優先的に示す。
Journal editors: Coastal Engineering Journal (Taylor & Francis Online), International Journal of Disaster Risk Reduction (Elsevier), Geoscience letters (Springer) and Geosciences (MDPI)