教授
博士(医学)
富田 博秋
TOMITA Hiroaki
とみた ひろあき
本務先 医学系研究科
東日本大震災後、東北大学と七ヶ浜町との共同事業「七ヶ浜町健康増進プロジェクト」の素で七ヶ浜町民や町役場職員の方の心身の健康増進に向け取り組んできています。その一環として、発災当時、七ヶ浜町に居住していた方のうち大規模半壊以上の家屋被災にあわれた約3,000名程の住民の健康調査を2011年から毎年行い、被災住民のメンタルヘルスを含む健康状態の把握や健康状態や回復を左右する諸要因の特定を行なってきています。
被災者の災害体験後のストレスを被災地域でも取得が比較的容易な唾液検体を用いて評価するための技術開発に繋がる研究、心的外傷後ストレス障害の病態を形成すると考えられている恐怖記憶の定着や軽減に関与する脳内メカニズムを解明し、同状態改善のための治療法開発に繋がる研究、バーチャル・リアリティ技術とバイオセンシング技術を用いて災害体験時の心身のストレス反応を定量化する研究、衛星技術から予測された被災状況を元にメンタルヘルス支援ニーズを推計する研究など、災害メンタルヘルス向上のための技術開発に取り組んでいます。
東日本大震災でメンタルヘルス支援を行なった団体・組織を対象とした調査から支援内容と課題の類型化を行う研究、同災害発生前後に妊娠・出産を体験した女性を対象とした調査から災害発生時の妊産婦のケアニーズの類型化を行う研究、災害発生後に行われる調査研究に伴う倫理的配慮に関する実態と課題抽出のための研究、東日本大震災、熊本地震の被災精神科病院を対象とした調査から精神科病院が災害に備える上での留意点を抽出する研究など、災害メンタルヘルス施策向上のための研究に取り組んでいます。