当分野と宮城県七ヶ浜町との協定のもとで2011年から継続実施してきた年次調査の結果に基づき、東日本大震災が被災住民に及ぼしている心理社会的影響を長期的視点で吟味し、被災者のメンタルヘルスに影響する要因の特定を進めています。
被災者のメンタルヘルス向上に役立つ心理社会的サポートの内容、利用しやすい媒体や提供体制に関する検討も進めていく予定です。
また、メンタルヘルスの問題を最小限に留め、必要な方にはいち早く適切なメンタルケアを提供する、という予防的観点や早期介入の立場も重視します。災害に遭遇した時に、自分自身の身を守りながら適切な行動を選択し、メンタルヘルスの不調を最小限にとどめるためには災害前からの備えが欠かせないものですが、平時から活用可能で、かつ、発災時にも役立つようなメンタルヘルスの知識と対応策を具体化し、提供していくことを目指しています。
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