東北大学は、東日本大震災という未曾有の災害を受け、2012年(平成24年)4月に新たな研究組織「災害科学国際研究所」(International Research Institute of Disaster Science: IRIDeS)を設立しました。IRIDeSは、大学の英知を結集し、被災地の復興に貢献するとともに、世界最先端の自然災害科学研究を推進することを使命としています。
IRIDeSが目指す災害科学とは、事前対策、緊急災害対応、復旧・復興、将来への備えを一連の災害サイクルととらえ、各プロセスにおける事象を解明し、その教訓を一般化・統合するものです。IRIDeSは、東日本大震災の経験と教訓を踏まえ、国内外の大学・研究機関のみならず多様な関係者と連携しながら、巨大災害を含む日本の自然災害への処し方そのものを刷新し、国内外の災害被害軽減に向けて具体的な問題解決方法を創出することを目標としています。東日本大震災に関する調査、復興事業への取り組み、国内外のフィールドにおける災害科学研究から得られた知見を、人間が災害の苦難を乗り越え、複雑化する災害サイクルに対して賢く対応できる社会システムの構築へつなげる学問「実践的防災学」として体系化し、その学術的価値を創成することを目指します。
東北大学では、2007年、地域社会の防災・減災に関する19分野からなる学際的な研究チーム「東北大学防災科学研究拠点」(事務局:東北アジア研究センター)を発足させました。当時、東北地方では宮城県沖を震源とする地震が30年以内に99%の確率で発生すると予想されていました。この地震に備えるため、本学の理学・工学・地学・心理学・情報学・経済学・医学・歴史学等、さまざまな専門分野からの研究者が結集し、文理連携で実践的な防災・減災の研究を推進することになりました。
同拠点の活動を展開するなかで、東北地方太平洋沖地震が発生しました。巨大津波により沿岸自治体の機能が失われ、また原子力発電所事故による環境汚染や全国的な風評被害・生活支障が生じました。この東日本大震災を受け、同拠点にはさらに多くの教員が参加し、震災に関する多角的な調査・研究の展開のみならず、現地の復興支援にあたることになりました。災害科学国際研究所は、東北大学防災科学研究拠点を大幅に拡充する形で、東日本大震災の約1年後に発足しました。
| 2012年 4月 | 東北大学災害科学国際研究所 (IRIDeS)設立(初代所長 平川 新 教授) |
|---|---|
| 2013年 2月 | 宮城県多賀城市と連携協力に関する協定締結(以降、9つの自治体と協定締結) |
| 2013年 3月 | 東日本大震災2周年シンポジウム(以降、毎年3月に定期開催) |
| 2013年 4月 | 気仙沼サテライトオフィス設置 |
| 2013年 6月 | 研究成果を書籍化した「東日本大震災を分析する」を上梓 |
| 2013年 | 秋田岩手豪雨土砂災害・フィリピン台風等 現地調査・報告会 |
| 2014年 4月 | 災害科学国際研究所 新体制発足(第2代所長 今村 文彦 教授) |
| 2014年 9月 | 災害科学国際研究所棟 竣工(青葉山新キャンパス・11月 落成式) |
| 2014年 | 長野県北部の地震等 現地調査・報告会 |
| 2015年 3月 | 第3回国連防災世界会議 仙台での開催に全面協力 |
| 2015年 4月 | 国連開発計画(UNDP)と共同で災害統計グローバルセンター発足 |
| 2015年 | ネパール中部地震・2015年台風17号18号災害等 現地調査・報告会 |
| 2016年 | 熊本地震・台湾南部地震等 現地調査・報告会 |
| 2017年 4月 | 今村 文彦 教授 所長2期目 |
| 2017年11月 | 第1回世界防災フォーラム 仙台で開催(以降、隔年で定期開催) |
| 2018年 | 北海道胆振東部地震・大阪府北部地震・インドネシア パル地震津波等 現地調査・報告会 |
| 2019年 | 山形県沖の地震 現地調査・報告会 |
| 2019年11月 | 第2回世界防災フォーラム |
災害科学国際研究所の理念に則り、以下の重点戦略・展開施策を中期目標・計画に掲げ、活動を行っています。