平成29年度 第二期共同研究助成として採択された課題を掲載いたします。
青柳 周一(滋賀大学 経済学部)
佐藤 大介(人間・社会研究部門 歴史資料保存研究分野)
巨大災害により地域の歴史文化遺産を失った地域における歴史文化再生の方法について、東日本大震災被災地を対象に、全国の関連する研究者・史料保存機関と連携しながら、地域外に残る関連史料の所在確認、収集、情報化および成果発信の実践を通じて研究する。
竹内 裕希子(熊本大学 大学院先端科学研究部)
柴山 明寛(情報管理・社会連携部門 災害アーカイブ研究分野)
本研究では、2011 年東日本大震災、2014 年長野県神城断層地震、2016 年熊本地震で構築(検討中も含む)された震災アーカイブシステムデータを用いて、震災の教訓を学び・継承する防災・減災教育プログラム並びにまちづくりプログラムを構築し実践的に実施していくことを目的として研究を行う。
上椙 英之(国文学研究資料館 古典籍共同研究事業センター)
蝦名 裕一(人間・社会対応研究部門 災害文化研究分野)
本研究では宮城県下の気仙沼市・南三陸町・女川町・石巻市・名取市・山元町の津波の石碑を対象として、石碑の碑文を判読可能な画像で保存することを目的とする。
池田 真幸(国立研究開発法人防災科学技術研究所)
佐藤 翔輔(情報管理・社会連携部門 災害アーカイブ研究分野)
東日本大震災の経験が活用された事例を調査し、災害経験情報の活用プロセスモデルを検討する。東北大学災害科学国際研究所(東北大災害研)の各種データベースをもとに災害経験情報の統合化構造モデルを検討する。防災科学技術研究所(防災科研)の災害情報利活用プラットフォームを介した災害経験情報活用実証実験を行う。
福谷 陽(関東学院大学 理工学部)
森口 周二(地域・都市再生研究部門 地域安全工学研究分野)
本研究では、首都圏に大きな影響を及ぼすと想定される相模トラフ地震を対象として、断層の深さやすべり量等を変化させた津波数値計算を行い、東京湾や相模湾近辺での応答曲面を構築し、モンテカルロ計算の結果得られる津波浸水深の確率分布を用いた津波リスク評価手法構築のための基礎的な検討を行う。
菅原 大助(ふじのくに地球環境史ミュージアム 学芸課)
後藤 和久(災害リスク研究部門 低頻度リスク評価研究分野)
石巻平野を対象に、地下レーダーを用いた古地形の探査により津波堆積物の形成・保存の可能性が高い場所を特定し、高密度の掘削調査により古津波堆積物の層数と分布に関する詳細なデータを得る。また、堆積物の14C年代測定により津波発生年代を高精度に推定する。これにより、従来よりも確度の高い津波履歴情報を推定する。
高瀬 慎介(八戸工業大学 工学部)
寺田 賢二郎(地域・都市再生研究部門 地域安全工学研究分野)
防災に資する災害シミュレーョン結果の3次元可視化を目途として、数値シミュレーョン、認知心理学、映像のそれぞれの専門家が集結し、人の心に訴える可視化コンテンツの作成を試みる。また、その中で得られる知見に基づいて、防災という目的に対して効果的な3次元可視化の考え方や要点を整理する。
林田 由那(早稲田大学 教育・総合科学学術院)
佐藤 健(情報管理・社会連携部門 災害復興実践学分野)
本研究は、石巻市立小・中学校保護者を対象とした質問紙調査により、学校防災への保護者の参加実態及び防災意識を明らかにすることで、地域に根ざした学校防災を展開するための学校・家庭・地域の協働モデルを構築し、各学校への分析結果のフィードバックを通して、モデルの社会実装と防災人材育成に寄与することを目指す。
草苅 敏夫(独立行政法人国立高等専門学校機構 釧路工業高等専門学校)
佐藤 健(情報管理・社会連携部門 災害復興実践学分野)
本研究では、地域版防災教育教材の開発過程における、防災教育上の効果を検証する。小学校区内の住民、教職員などが当該地域に関する情報を取得し、教材に反映させていく過程で、知識の内在化と、コミュニティ形成への寄与が予想される。本研究では、アンケートやインタビュー調査により、これらの効果を明らかにする。
金 亜伊(横浜市立大学 学術院総合科学群)
内田 直希(災害理学研究部門 地震ハザード研究分野)
2011年東北地方太平洋沖地震後、岩手県沖ではこれまで観測されていた繰り返し地震の再来間隔や規模の変化が見られた他、新たな系列の発生が観測された。本研究ではそれらの地震の破壊過程を詳しく調べ、その変化の原因を検証し、プレート境界型地震の規模や発生間隔などの発生様式を決定づける要因の理解を深化させる。
鳥井 真之(熊本大学 くまもと水循環・減災研究教育センター)
遠田 晋次(災害理学研究部門 国際巨大災害分野)
平成28年熊本地震(M7.3)では、長さ約30 kmの地表地震断層が現れた。地震断層は日奈久断層と布田川断層に概ね沿って出現したが、北東端は阿蘇カルデラ内に約3 kmも延びた。本研究では、カルデラ内南阿蘇村でトレンチ調査を行い、断層観察、火山灰分析、14C年代測定を通じて当区間の活動史を明らかにする。
長谷中 利昭(熊本大学 くまもと水循環・減災研究教育センター)
佐藤 源之(災害リスク研究部門 広域被害把握研究分野)
平成28年熊本地震で阿蘇外輪山斜面が大規模に崩壊し阿蘇大橋が崩落した。再崩壊を検知するために地表設置型合成開口レーダの常時観測が始められた。しかし崩壊地の地質、崩壊岩石の物質科学についてほとんど情報がないので、本研究でこれらの情報取得を目指す。研究成果は観測データの解釈を深め、斜面崩壊予測に役立つ。