研究・実践

2016年エクアドル地震

最終更新 2016/05/16 15:50 (公開開始 2016/04/19 12:30)

南米エクアドルで日本時間4月17日に発生したM7.8の地震による被害が拡大しています.この地震は,NazcaプレートとSouth Americaプレートの境界付近で発生した逆断層型地震であり,沿岸部での大きな揺れを引き起こし,特にマナビ州での建物被害が甚大であることが分かっています.多数の死者・負傷者が発生しています.
今回の地震断層の主要な破壊は海岸に近い内陸の浅い地殻内で発生しており,我が国への津波来襲はありませんでしたが,エクアドルの海岸への局所的な津波発生・来襲が報告(MantaとEsmeraldas)されています.現在のところ,津波による被害は報告されていません.本ページは随時,情報を掲載してまいります.

東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)の対応

本研究所では,地震発生直後に,近地および遠地の津波解析を行い,エクアドル海岸において約1.5mの津波遡上の可能性があることが判明し,日本への影響は無いことを確認しました.

本研究所越村俊一教授とエリックマス助教,およびブルーノアドリアーノ研究員は,JICAの技術協力事業(津波を伴う地震のモニタリング能力向上プロジェクト)の一環で,エクアドルの津波予測技術の高度化に関する技術的支援を行っていました.今後,エクアドル海洋学研究所(INOCAR)と国家危機管理庁(SGR)と連絡を取りながら,必要とされる支援を行っていきます.

しかしながら,今回は地震による被害が甚大であり,救出活動が進行中であること,被災地の治安が非常に悪化していることを踏まえると,被害調査等を実施する段階には無いと考えます.引き続き,現地の関係機関と連絡を取りながら,主に津波波形解析からの断層破壊状況の推定,地震被害状況の把握を行っていきます.

東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)による研究成果(論文等)

学会発表

  • Bruno Adriano, Shunichi Koshimura, Miguel Estrada:Damage mapping of built-up area using full polarimetric PALSAR-2 images following the 2016 Pedernales Earthquake, Ecuador,International Symposium on Remote Sensing 2017,2017.

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