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地震津波リスク評価(東京海上日動)寄附研究部門

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概要
地震津波リスク評価(東京海上日動)寄附研究部門は、2011年に締結された東北大学と東京海上日動の連携協力協定に基づき、東北大学における津波リスク評価等の災害科学の知見・データ等と東京海上日動がこれまで保険ビジネスで培った地震・津波リスクに対する知見・データ等を元に、両者が連携協力して同分野の研究開発や人材育成を強化していくとともに、研究成果や得られた情報を広く社会に提供していくことを目的として、2012年に設置されました。
具体的には、これまで、津波ハザード評価・津波フラジリティに関する研究、津波避難訓練支援、防災教育の取り組み等に関して、各方面で成果を挙げてきました。
 
津波ハザード評価に関する研究では、従来手法を高度化した津波ハザードの確率論的評価手法を用いて、東北地方太平洋沿岸における確率津波波高やその不確実性を定量的に評価し、また、再現期間別の津波ハザードマップから津波リスクを定量化する手法を提案しました。津波フラジリティ評価に関する研究では、東北地方太平洋沖地震津波における石巻市の建物被災データに基づいて、最先端の統計学手法を用いることで、高い精度の津波被害関数を構築しました。更に、東日本の漁船被災データを使用して、津波数値解析による津波流速、漂流物の影響等を考察しました。(図版1、図版2)
図版1:確率論的津波ハザード解析を基に作成した再現期間別の津波浸水想定域
図版2: 2011年津波による建物フラジリティー・サーフェス(浸水深と流速・気仙沼市被害データ使用)。上の図は漂流物効果を考慮した場合、下の図は漂流物効果を考慮しなかった場合
津波避難訓練支援に関する活動としては、行政・地域が取り組む津波避難対策や避難計画、避難訓練の現場に深く関わり、被災地の避難計画の再構築や、避難訓練の企画と避難行動の調査・検証に取り組んできました。訓練については、研究所内外の協働体制で取り組む「カケアガレ!日本」とも連携し、実地に即した避難方法や訓練手法を実践するとともに、課題克服に向けた検討を地域・行政とも共有してきました。(図版3)
図版3:仙台東部道路の避難階段を活用した津波避難訓練と調査の様子
防災教育に関する取組としては、今年度は宮城県内の70の小学校の5,年生を対象に出前授業を実施中です。県外では、山内県周防大島町の城山小学校の1〜6年生を対象に実施した、国外ではタイ国のプーケット島の2小学校とバンコクの中学校、高等学校の生徒を対象に実施しました。また、今後、フィリピンのタクロバン近郊の小学校4校とアメリカ合衆国のハワイ州の2つの小学校を対象に出前授業を実施し予定です。(図版4)
図版4:タイ・プーケット(左上図)・宮城県(右上図)・アメリカ・ハワイ(左下図)
今後も、当部門では、地震・津波のリスク評価に関連する研究を中心として、活動を行って参ります。
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