福島県三春町は、郡山市の東隣にある坂上田村麻呂が奥州征伐の際、馬揃えをした場所と伝えられる長い歴史を持つ小さな城下町である。1983年地域住宅計画を策定し、その計画に従い40年近く地域の住文化に根ざしたサステナブルな住まい、まちづくりを継続してきた。都市計画道路拡幅事業に合わせた、商店街でありながら隣近所に配慮した住みよい平入りの街並み整備、蔵並を生かした歴史を感じるヒューマンスケールな裏道整備、歩道を広げ歩きやすい街並み整備を行い、その中心部に大手スーパーを移転するなど、美しく快適でかつ住みよいまちづくりを実践してきた。この試みとその成果は、我が国唯一のものである。
リンク先:http://irides.tohoku.ac.jp/media/files/organization/faculty/iwata_artworks_jp.pdf
東日本大震災では、約53,500戸に及ぶ応急仮設住宅が建設された。福島県三春町では35年以上にわたる地域の住文化に根ざした住まい・まちづくりを推進してきたが、その推進母体の中心であるである地元建設業者は「三春町復興住宅をつくる会」を発足し、日本建築家協会福島地域会の協力を得て、非常時の大量供給、長期化、住環境を考慮し、100戸の木造応急仮設住宅を建設した。
・誰でもどこにでもすぐに手に入る材料(構造材のすべてが4寸材)
・大工さんならすぐに建設可能な在来木造
・快適性を考えた高断熱、高気密+内外装とも杉板張りで木の香りのする住まい
・避難長期化を考えた10年程度の耐用を考慮したコンクリートフラットベット基礎
リンク先:http://irides.tohoku.ac.jp/media/files/organization/faculty/iwata_artworks_jp.pdf
山形県金山町は、山形県北部最上地方にある林業を中心とした、イザベラバードの「日本奥地紀行」でも賞賛された美しいまちである。地場産材である優良な金山杉、金山大工の伝統技術に立脚した、地域の活性化を目指した金山杉による美しい住まいづくりによる100年先を見据えたまちづくりを推進し、美しい街並みの維持の成功している。この取り組みは全国で提唱されて入るが、美しい街並みとして実現した地域は他に追随を見ない。これこそがサステナブルで、レリジエントなまちづくりである。
リンク先:http://irides.tohoku.ac.jp/media/files/organization/faculty/iwata_artworks_jp.pdf