組織・メンバー

気候変動適応防災学分野

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概要
気候変動によって台風、豪雨、洪水、土砂崩れ、山火事、高温、干ばつ等の気象水文災害が激甚化し頻発しているとの報告が世界各地から寄せられています。気温が高くなるに連れて大気が含みうる水蒸気量が増え、それらは気象じょう乱を活発化させ、大気循環の変化は異常気象をもたらします。例えば偏西風や海流が変化するとその影響によって、これまで経験のない気象や気候が実現することになります。しかしながら、気候変動によるインパクトは定量的な理解は不十分です。気候変動枠組条約の締約国会議(COP)の議論でもいわゆる気候変動による損失と損害の定量的データの把握の重要性がここ数年取り上げられていますが、各国では災害による被害のデータの積み上げに大きな課題があるのです。特に温暖化によって甚大な影響が出ると考えられている発展途上国で進捗状況が芳しくありません。この状況を変えるために災害研と国連開発計画(UNDP)は2015 年に災害統計グローバルセンターを設置して各国の災害被害データの蓄積に取り組んできました。
 
「気候変動適応防災学分野」では災害被害データに加え、世界気象機関(WMO)と協力して特に気象水文関連のハザードデータの集積を行い、これらのデータを比較することで、気候変動の影響によって災害による被害が既にどれだけ出ているか、そして将来にわたる変化を分析します。また、世界の都市や農山漁村における開発トレンドも同時に明らかにしたうえで、人間社会が気象水文ハザードにどのように暴露していくのかも明らかにして、気候変動の影響によって移住を余儀なくされる気候変動移民や食料安全保障の問題、持続可能性の高い開発のあり方・対策等について、様々な分野の専門家に検討してもらうためのプラットフォームを構築します。さらには温暖化による極端気象および災害被害の将来予測とその機構解明も行っていく予定です。
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