- メンバー
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- 概要
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災害メモリー学では、災害が個人、コミュニティ、社会によってどのように記憶と記録されるのか、また災害に関する集合的・文化的記憶が、将来の災害に備えるために、いかにして社会的・文化的枠組みを形成し、またその影響を受けるのかを探究しています。
メモリー学の知見を活用し、ある災害の経験が保存され、記念され、継承や伝承され、制度化される一方で、どのような経験が周縁化されたり、忘れられたりするのかの社会的プロセスを考察します。
中心となる問いには、次のようなものがあります。
「誰の経験が『教訓』として記憶され、伝承されるのか?」
「被災者、教育者、メディア、行政機関など、どのようなアクターが災害の記憶の形成に関わっているのか?」
「その過程で、どのような語りが省かれ、沈黙させられ、あるいは消されてしまうのか?」
これらの問いに向き合うことで、災害の歴史がいかに構築されるのか、そして記憶の実践がリスク認識、防災教育、長期的な備えにどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目指しています。
こうした取り組みを通じて、本分野は、社会的脆弱性の複雑さと記憶の政治性を認識し、より包摂的で多様な災害の記憶、そして防災のあり方を提案します。
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