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災害科学国際研究所へようこそ!!

東北大学災害科学国際研究所  所長 今村文彦

 
『東北大学オンラインオープンキャンパス2022』へようこそ!!
 
 災害科学国際研究所は、東日本大震災の約1年後に発足した、東北大学で最も新しい研究所です。略称は、災害研(さいがいけん)または英語名International Research Institute of Disaster Scienceの頭文字を取ってIRIDeS(イリディス)といいます。
 
 震災に先立ち、東北大学では、学内の文系・理系・医学系の災害科学を統合した防災科学研究拠点を、2007年に結成していました。当時、近い将来に宮城県沖地震が高い確率で発生すると予想されており、災害に携わる研究者が力を合わせ、最適な対応を目指していたのです。しかし2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生し、地震や津波、原発事故が重なり発生し東日本大震災となりました。その実態は予想をはるかに超え、十分対応できなかったという反省に基づき、防災科学研究拠点のメンバーに国内外から災害研究者がさらに加わり、災害科学国際研究所が誕生しました。
 
         

 当研究所は学際研究所であり、工学・理学・医学・人文科学・社会科学等、幅広い専門分野から約50名の専任教員が活動しています。災害を『災害の事前対策・緊急対応・復興・将来への備え』という一連のサイクルとして捉え、国内外の防災に資する「実践的防災学」の構築を目指してきました。東日本大震災以降、東日本大震災の被害把握、低頻度巨大災害の解明、災害医学の進展、震災アーカイブの整備、防災教育の実践、国際防災指針への貢献など、グローバルかつローカルに、科学と社会をつなぐ実践的な災害研究を進めてきました。日本は自然災害の多い国ですが、災害の教訓から学び、より安全で安心出来る社会をつくる支援をしていきたいと思います。当研究所のロゴは、「災」の字を上下逆に転じたもので、「災いを転じて福となす」、「東日本大震災の災禍から学び、世界の防災に活かす」という決意を表しています。
 
    

 みなさんは防災や災害科学に興味はおありでしょうか。災害科学国際研究所は東北大学の附置研究所であり、直接学生さんが所属することはありませんが、災害研に所属している教員の多くは、他の学部や研究科で授業を行い、学生さんを指導しています。皆さんも、災害に関連する部局(工学研究科、理学研究科、文学研究科、医学系研究科等)に所属する形で、災害科学国際研究所で学び、研究することができます。
 
 まず、学びたい専門分野・ 領域や教員を決め、専門などが決まったら、受験する学部・研究科(大学院)が決まります。自 分の興味を見定めていくにあたり、最初は大まかに、人文系、工学系、理学系、医学系などでもよいと思います。さらに、「災害に関する歴史」「地震発生の仕組み」「災害医療」「災害に強いまちづくり」など、知りたい、学びたいと思うトピックを絞っ ていくと、その先の進路を選びやすくなります。例えば、津波工学を学びたい場合は工学部、活断層のメカニズムについて学びたい場合は理学部に、災害文化について学びたい場合は文学部に入学し、勉強することになります。学部生の場合は、学部4年時の研究室配属で学びたい分野・研究室を選択します。
 
  

災害研には様々な専門分野があります。ぜひ一度、ウェブサイトの組織・メンバーのページを一度覗いてみてください。
https://irides.tohoku.ac.jp/organization/
 
それぞれの研究者を紹介するページもあり、研究キーワードで検索することもできます。
https://irides.tohoku.ac.jp/organization/search/
 
これまで発生した様々な災害に関する緊急調査や災害速報などの特設ページもあります。
 
研究・実践活動の例は、以下をご覧ください。(災害研広報誌 『IRIDeS NEWs』の記事より)
 
■災害の事前対策:災害メカニズムの理解
 (海底地震学研究分野 木戸元之)
 (陸域地震学・火山学研究分野 福島 洋)
 
■緊急対応
 (緊急調査ワーキンググループ)
 (津波工学研究分野 今村文彦)
 
■復興
 (防災社会推進分野 丸谷浩明・佐藤翔輔・
  歴史文化遺産保全学分野 佐藤大介・
  国際研究推進オフィス マリ エリザベス)
 (災害放射線医学分野 千田浩一・
  空間デザイン戦略研究分野 平野勝也)
 
■将来への備え
 (災害医療国際協力学分野 佐々木宏之)
 (地震工学研究分野 五十子幸樹)
 (防災教育実践学分野 佐藤 健)
 
 
東北大学への入学に関する情報は、以下にあります。
 
災害を学びたい方も、そうでない方も、ぜひ、この機会に災害科学に興味を持っていただければと思います。有意義なオンラインオープンキャンパス訪問となることを願っています。
  災害研マスコット「イリ」